省エネ相談計画策定支援事業

支援地域

山梨県全域

月次報告書

平成27年 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 , 平成28年 1月

基本情報

〒400-0035
山梨県甲府市飯田2-2-1
山梨県中小企業会館3階

055-235-2115 (平日 8:30~17:15)
http://www.shokokai-yamanashi.or.jp

目指す世界

課題意識

【4年間省エネ診断支援を実施】

平成23年度から平成26年度までの4年間において実施してきた省エネ支援は、事業所における電気等のエネルギー使用状況や設備の運営方法についての省エネ診断を行い、どこに「課題」があるのかを明確にし、それに対してどのように対策を講ずればよいかの「提案」を行ってきた。

【支援の中での課題】

省エネ診断支援を行ってきた地域の商工会に加入している会員企業は小規模事業者が多く、省エネの取り組みが進みにくい上、実際に省エネに取組む人材、体制が整備されていない。また、省エネ診断で提案のあった省エネに対する具体的な方法や第三者からのアドバイスが無い等、省エネを推進する計画策定や、具体的な取組が思うように進んでいない状況である。一方、当会の専門家派遣事業は、省エネ支援に限らず事業所のあらゆる経営課題に対応している為、予算面においても1事業者に対しての支援に制限があり省エネ診断支援後の実行支援まで行う事が出来ない状況もあった。

【省エネ経営推進モデル事業の実施】

平成26年度、関東経済産業局が省エネ経営推進モデル事業を実施するにあたり、関東管内の3支援団体に事業実施を依頼、本会も今までの実績が評価され、モデル事業実施機関に選定された。

山梨県内の3企業を対象に省エネ経営推進モデル事業として、省エネ診断、課題の抽出、計画策定の支援を行った。

その結果については以下のとおりです。

(1) 県内有数の老舗旅館A社の場合

省エネモデル事業の支援を受け、社長、支配人を中心とした省エネ推進のための体制が会社内に構築できた。また、省エネの費用対効果(投資と回収)とリスク回避を同時に検討し、課題を視野に効果の高いものから導入する計画を策定し、この計画を実行することで、本事業所での省エネによる経営改善が推進できるものとなった。

なお、モデル事業の支援をきっかけに設計事務所の協力も得る中で、資料の収集、CAD図作成、省エネ設備の見積取得、概略事業計画書の策定を行うなど、本事業所の省エネ設備改修計画がスタートした。また、国の補助事業の適用を受けるため、具体的なスケジュールを決めることができ、現在、具体的な省エネ推進に取り組んでいる。

一方、省エネ経営支援を受けた中で、社員の参加者同士がアイデア等を自由に出し合うブレインストーミングの演習・実践を行ったことで、多様な部門から社員の演習におけるアイデア出しも活発に行われた。また、この手法も用いて年末には、全社員において、実際にブレインストーミングを行う会合を持ち、社内の改善提案等に関するアイデア出しを行うことになった。ブレインストーミングの意義、社員の創造力活用の重要性が理解された結果だと思われる。

(2) 地域資源の認定を受け事業に取り組んでいる麺製造業のB社の場合

省エネモデル事業の支援を受けたことで、省エネに対する本事業所の課題が抽出でき、空調機、照明設備、廃熱回収などの設備更新による省エネ効果を理解して頂けた。併せて漏電、防カビ、防菌、労災などのリスクも明らかになり、省エネの費用対効果(投資と回収)とリスク回避を同時に検討し、項目毎の課題を視野に効果の高いものから設備導入する計画を策定したことで、本事業所の省エネによる経営改善が推進できるものと思われる。

一方、省エネ経営支援の中で、参加者同士がアイデアを出し合うブレインストーミングによる実践的演習を行ったことで、参加者間の気づき・発見、情報共有が図れた。

また、企業個別の問題にも踏み込んだため、懸案かつ現在解決されていない問題についてのディスカッションができた。そこから次に取り組むべき課題の整理ができた。

(3) 一年を通して冷菓子、冬は中華まん製造も行うC社の場合

省エネモデル事業の支援を受けたことで、本事業所の未利用エネルギーが抽出でき、再利用を検討する材料となった。また、冷凍機、重油ボイラー、照明設備などの設備更新による省エネ効果を理解して頂けたことで、省エネの費用対効果(投資と回収)とリスク回避を同時に検討し、課題の解決を視野に効果の高いものから導入する計画を策定することで、本事業所の省エネによる経営改善が推進できることを証明できた。

本事業所には、モデル事業において多くの提案及び支援をしてきた。年間消費エネルギー量の統計処理、主要設備の調査、工場内現地調査、考えられる設備改善計画の策定と削減効果量の算出、適用可能な補助金の紹介と申請手順の説明などである。これらの支援の結果、昨年度の役員会で設備更新計画が採択され、実行する段階になった。省エネ診断→経費削減→収益改善ということが理解されたと考え、支援の大きな効果があったと思われる。

長期目標

中小・小規模事業者が、PDCAサイクルを回して行く等、継続的な省エネ活動を行っていくには、継続性を持った支援が必要となる為、支援側である地域の経営支援機関や地域金融機関、専門家とが連携した支援体制を構築し、補助期間終了後においても省エネ相談地域プラットフォームが機能する為に、補助期間において、下記の目標を実施しながら、確固たる支援体制を構築する。

補助事業期間における目標

補助事業期間において、省エネ診断後の支援体制を構築する事により、支援機関として、事業所に対しての省エネ推進の流れと省エネ推進支援のポイントを理解する。また、省エネ推進のための支援を継続的かつ連携して実施できる体制を築く。

なお、上記課題を受けて、省エネ診断を既に実施済みながら、具体的な省エネ推進に進んでいなかった事業者73社に対し、モデル事業での経験を活かしてその後のフォローを行う。補助機関の活動を通じて、専門家等とのネットワーク拡大、省エネ推進支援の研修会実施による支援機関内の人材育成を行い、支援体制を構築する

PF体制図

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